Answer Left 04 ギガベース撃破 その1
「いいですか!高度5000、敵射角外から、垂直に、降下急襲します!」
高度5000−−空のアームズフォート・イクリプスでさえ、ほぼ限界といえる高さだった。円形の巨大要塞が雲海を行く。
浮かぶ雲と冷たい大気が開いた下部ハッチに流れ込み、整備士たちを震えさせた。
それはさながら空を漂う巨大なくらげが、薄汚れた雲をむさぼっているかのようだった。
轟々と耳をはたく風に負けぬよう、装着したインカムに向かって一人の女性が大声を張り上げる。
「ターゲットのギガベースは、現在、直下の海を第8艦隊と共に航海中です!」
ハッチには出撃体勢のネクストが一機。「インテリオルの熱風」の通り名を欲しいままにする、ネクスト・アカツキ。
ベースであるLATONAの両腕部に装備されたアルドラ製グレネードが、華奢な本体と不釣合いに大胆な曲線を描いている。
「貴方の機体であれば、速度は3000を越えるでしょう!機体内の加速度制御をご確認ください!」
強風にも巻けず劣らず、整備士たちの耳を痺れさせる女性のがなり声。
彼女の名前はニコラ=マウロスク、レオーネ出身のオペレーターだ。
軍服が似合う強気な女性だが、影で"リトル・マウロスク"と呼ばれていることを、彼女は知らない。
ぱっと、彼女の顔が緑色に染まる。出撃位置に達したことを示すランプが点灯したのだ。
機械的なビープ音が緑に染まった雲の中に響き、赤き戦士の出発を促した。
「レンチ、御武運を!」
そういって彼女はアカツキに向かって敬礼をする。いつも通りの出発前。
返事をするように、アカツキのブースターが煌々と点灯した。
「あーあー、こちらレンチ、ネクスト・アカツキ。今から作戦行動開始だぜ。ヒヒヒ。」
彼が赤い嵐と呼ばれるのは何も機体の色のためだけではない。
グレネードランチャーによる容赦のない戦い方もそうだし、背のブースターも大きな"嵐"の一部だった。
オーメル製背部追加ブースターACB-O710。大きなエネルギー消費と引き換えに爆発的な瞬発力を付加するその装置は、
彼のような一撃離脱を主とするリンクスにはもってこいの逸品。
「それじゃ、行ってくる。サポートはいらんぞ、ニコラ。」
言い終わらないうちに、レンチは自機のOBスイッチを弾いた。
txt by uoi
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