Answer Left 05 ギガベース撃破 その2
BFF第八艦隊所属、クイーンエリザベス級航空母艦コールドナイツ。
現在GA製アームズフォート・ギガベースの護衛として同艦隊と共に北西洋を南下中のこの艦は、
全長約300メートル、乗員2200名を誇る、旧大英帝国においては最大規模を誇った空母だった。
かつては最新鋭の兵器であった「戦闘機」や「ヘリコプター」を大量に搭載できる海上要塞であったが、
その積載量は次世代の主力にとって代わったACやネクストにとっても充分なものだった。
「第八艦隊上にネクスト・シャウトアウトを待機させ、ギガベースの護衛にあたれ。」
こんな任務が彼、シンの元へ届いたのも、ひとえにコールドナイツの収容力の賜である。
艦内に用意されたハンガーは元々戦闘機を格納しておくためのものだったらしいが、
彼のネクストでもなんとか入ることができた。4脚のこの機体でギリギリの高さだから、
おそらく2脚や逆脚の機体では頭がつかえてしまうだろう。
彼は傍らの愛機にちらっと目をやると、一服するために外に面した昇降機に立った。
いざという場合にはこの昇降機でシャウトアウトを甲板にあげ、そこから離艦することになる。
−−北西洋を南下して、ニホンのヨコハマで主砲を換装するとか。
−−聞いた話だと、BFFと有沢重工が長距離砲を共同開発したらしい…。
乗組員達の雑談を海風に流しながら、彼は煙草に火をつけた。
青黒い海の色は間違いなく腐敗した空の色の写しだ。およそ世界中の大気が汚染された今、
この魚の住まない濁った海はどこまでも続いてこの星を覆っている。既に命を宿すことをやめた海と空。
わずかに汚染を免れた土地も、企業の争いの火種となっては長くは保つまい。
この星は急激に滅ぶ−−シンが思うまでもなく、「クレイドル」という歪な居住区がそれを暗喩している。
一時凌ぎにしかならないのだ、あんなものは。増え続ける人工を支えきれなくなるのが先か、
クレイドル空域に汚染が届くのが先か…。
そうしてまた、何層にも灰を重ねた空を見上げる。
「流れ星…?」
彼が異変に気付いたのはその時だった。ほの暗い空から艦後方の海に降り注ぐ、いくつもの落下物。
さらに上方を見て、シンの表情は一変する。落下物の中でただ一つ、光をまとった異質なものがあった。
あれは間違いない、幾度となく戦場で目にした、ネクストのOBの光。
この艦はギガベースを先導している。あれがネクストなら、さっきからの落下物はグレネードかロケットの弾頭か…!
「出撃するぞ!道を空けろ!」
彼はほぼ無意識に叫んでいた。
txt by uoi
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